Apple Watchに代表される身に付けるコンピューター。ウェアラブル端末。
まだまだ社会一般に浸透しているとは言いづらい商品ですが、今後の成長・発展が楽しみな分野でもあります。
とりわけ期待されているのが、ウェアラブル端末の介護分野での活用です。
体に身に付けて使用することが特徴でもあるウェアラブル端末は、元々ヘルスケア分野との高い親和性が指摘されていました。
実際、Apple Watchなどの既存のデバイスでも心拍数などのデータを取得して、健康管理を行うようなアプリが多数公開されています。
そんなわけで本日はウェアラブル端末と介護についてのニュースです。
まずはコニカミノルタが国際福祉機器展にて発表した眼鏡型ウェアラブルデバイスについてです。
同社独自のホログラフィック光学技術「HOE」を用いることで、約80%にもおよび高いシースルー性、クリアな視界を確保しつつ、明るい映像表示を可能しました。
PCなどのデバイスを通すことで、表示される映像に文字やマークを書き込むことも可能。作業指示を行う際などに重宝しそうです。
介護現場での用途としては、経験の浅い介護士に対するサポートなどが想定されています。
新人介護士などが在宅介護や夜間介護などで単独行動を行う際に、この『ウェアラブルコミュニケータ』を通してベテラン介護士と情報を共有。
適切な指示を受けながら作業を行うことで、サービス品質の向上と、介護者自身の負担軽減に繋がりそうですね。
ちなみに先日開催された日本遠隔医療学会学術大会において、リコーも同様のコンセプトの端末を出展しています。
介護現場に限らず、災害・事故現場と医療機関との連携や、出向先での機器メンテナンスといったシーンでも活躍できそうな眼鏡型ウェアラブル端末。
SF映画みたいに眼鏡越しにホログラフィック映像を見ながら会話をしたり、仕事をしたりする。そんな未来がすぐそこまで来ています。
続いては介護現場における排泄管理に役立ちそうなデバイス、『DFree』です。
なんとこの機器、小型デバイスを下腹部に貼り付けることで、排便タイミングが分かるようになるんだとか。
ベルト・テープなどで固定された機器が、超音波を用いて腸内の状況を把握。
専用のアプリを通じて、スマートフォンなどにトイレに行くべき時間をアナウンスしてくれるという優れもの。
さらにはアプリ自身が実際の排泄時間を記録・学習していくため、予測時間の精度は使えば使うほど上がっていくそうです。
介護が必要な高齢者は、急に便意が来たからと言って慌ててトイレに駆け込むなんてことはできません。
でも、この『DFree』があれば事前にトイレに行くべき時間を把握することができ、トイレ誘導のための十分な準備時間を確保することが可能です。
排泄ケアは介護する側にとっても、される側にとっても、負担の大きな問題です。
そんなデリケートな問題をサポートしてくれる『DFree』。
現在はクラウンドファンディングなどを通じて一部の方のみ先行予約を受け付けているような状況ですが、今後の市場展開に期待です。
余談ですが、高齢者以外の使用もモチロンOK。
電車に乗った瞬間に便意が……そんなピンチを防ぐことができちゃうかも?
最後に紹介するのは東芝が開発・販売を行っているリストバンド型ウェアラブル端末『シルミーW20』。
元々は生活習慣の見直しを目的とした活動量測定デバイスだったのですが、新機種になりその機能を大幅なパワーアップを実現。
活動量や食事時間などの管理機能が追加されたほか、ボタン操作による緊急通知機能といった見守り機能も搭載されました。
健康管理と緊急時のSOSを1台のデバイスで行うことができますので、介護予防や病後のリハビリなんかを行う時に便利そうです。
さらにシルミーシリーズの上位モデルとなる『シルミーW21』には、GPSによる位置検出機能も搭載。徘徊者の捜索・救助などへの活用も期待できそうです。